分科会 8月10日(土)9:30~12:15
第1分科会 システムの活用 会場:メディアセンター南館2階
1 情報科の教育実習簿をSNSで作成・公開することで得た知見
大阪学院大学高等学校 松本 宗久 06-1-1.pdf
(要旨) 本校では教育実習において、SNSを活用し教育実習の様子を実習簿とともに公開することで、どのような利点や問題点が生じるかについて、実践しながら検証してきた。今回はこの3年間で得た知見について報告する。
2 学びの場の再構築する生徒が主体的に学ぶICT システムと教室環境をリデザインする
和光高等学校 小池 則行 06-1-2.pdf
(要旨) デジタルネイティブと呼ばれる生徒たちを相手に、学校はどのような教育活動を展開していくべきか。本年度5月にリプレイスした本校のネットワークシステムを紹介し、そのコンセプトと授業の様子を報告します。
3 普通教室でのタブレット端末とサーバを活用した授業実践(iPadとMoodleサーバの運用について)
大阪府立東百舌鳥高等学校 北野 堅司 06-1-3.pdf 発表スライド 06-1-3s.pdf
(要旨) 高等学校においてタブレット端末の導入が進み、1人1台の情報端末を授業で活用できる環境が整いつつある。本校では昨年度に英語教育で、iPadとmoodleを活用した授業を実施し、また他の教科でもiPadやmoodleその他ICT機器の活用を計っている。これらの実践を通して、授業者や生徒が情報ネットワークを活用する上での得られた知見を報告する。
4 中等教育学校(6年間一貫教育)での情報教育の在り方について ~前期課程技術と後期課程社会と情報~
茨城県立並木中等教育学校 兒玉 幸憲 06-1-4.pdf
(要旨) 茨城県立並木中等教育学校での情報教育の実践と成果・課題 前期3年間での情報教育について 中等3学年での取り組み~クラウドを活用した作品制作~ 前期課程での毎日パソコン入力コンクールの大会参加と成果 課題研究「一人一研」での情報機器の活用と成果 中等3年から5年でのクラウドを活用したアンケート調査の実態と活用例
5 教科「情報」の授業 on クラウド ~クラウド上での授業の紹介~
石川県立金沢二水高等学校 鹿野 利春 06-1-5.pdf
(要旨) 授業の流れ、小試験、課題の提出、評価など、あらゆる場面でクラウドを使った結果を報告する。クラウド=外部レンタルサーバ+CMS+Webコンテンツ。必要な費用は500円/月。
6 スマートフォンの活用法 高校生熟議 in Osaka & Tokyo
─内閣府,文部科学省,総務省で高校生がリアルにプレゼンテーション─
大阪私立羽衣学園高校 米田 謙三 06-1-6.pdf 発表スライド 06-1-6s.pdf
(要旨) 高校生熟議は,2011年度に「高校生熟議 in 大阪~ケータイ・インターネットの在り方&活用法~」としてスタートし,今回で2年目となりました。今回は大阪に加え,東京でも開催し,約3ヵ月間にわたる三回のリアル熟議と文部科学省「熟議カケアイ」を利用したネット熟議を開催しました。さらに,今年は東京,大阪の代表者6名の高校生による「高校生熟議サミット」を開催し,提言をとりまとめました。この提言は,「高校生の意見を中央に」と考え,内閣府,総務省,文部科学省にてプレゼンテーションも実施しました。
第2分科会 情報の科学 会場:メディアセンター南館2階
1 中学校・技術での「計測と制御」から高等学校・情報の科学での「アルゴリズム」へつなげてみた
千代田区立九段中等教育学校 田崎 丈晴 06-2-1.pdf
(要旨) 本発表は、公立中高一貫教育校における授業実践報告である。高校からの入学を募集しない中等教育学校では、中学3年生の技術と高校1年の情報において学習内容を連続させたカリキュラムを作ることができる。今年度は技術の授業と情報の授業においてライントレーサーを用いた計測と制御とそれに関するアルゴリズムを理解することを含めてコンピュータの動作原理やアルゴリズムを題材とした問題解決を学ぶ授業を実施し、成果と課題について述べる。
2 ArduinoによるフィジカルコンピューティングとiBook AuthorによるiPadデジタルテキスト
京都光華中学校 高等学校 竹中 章勝 06-2-2.pdf
(要旨) 情報の科学的理解・論理的思考を進める為のプログラミング学習に加えフィジカルコンピューティングとしてArduinoを用いたプログラミング教育を行った。またiPadを1人1台使用しiBook Authorを使用した自作のデジタルテキストを作成した授業内容を報告する
3 他教科との連携を図る題材選択
山口県立岩国高等学校 山下 裕司 06-2-3.pdf 発表スライド 06-2-3s.pdf
(要旨) 新学習指導要領で掲げられている他教科との連携を実現するための授業実践事例を紹介します。受験科目に重点を置く進学校では情報科目が疎んじられるという状況があり、その状況は題材次第で変えられることを実践で示す必要があります。
4 論理回路をのしくみに関する授業の実践報告 教科「情報」の授業での論理回路学習教材の活用
東京大学教育学部附属中等教育学校 長嶋 秀幸 06-2-4.pdf 発表スライド 06-2-4s.pdf
(要旨) リレーを使って論理回路を作製できる学習教材を開発した。生徒がこの教材を使って回路を組んでみることにより、論理回路の仕組みについての理解が深まった。
5 スクイークEtoysによる簡単なモデル化とシュミレーションの指導例
千葉県立船橋芝山高等学校 谷川 佳隆 06-2-5.pdf 発表スライド 06-2-5s.pdf
(要旨) スクイークEtoys等を活用して「情報の科学」の指導例を先行研究していた。第3回では「問題解決の基本的な考え方」、第4回では「問題の解決と処理手順の自動化」に関する指導例を紹介させていただいた。今回はそれに引き続き「モデル化とシミュレーション」に関する指導例を紹介する。
6 外部入出力インタフェースとセンサを利用したプログラミング教育の実践
千葉県立柏の葉高等学校 滑川 敬章 06-2-6.pdf
(要旨) プログラミングの初学者がプログラミングに関する興味・関心を継続させながら学ぶことができるように,グラフィックを扱うのが容易であるプログラミング言語(Processing)とユーザインタフェースとしてセンサ(Arduino+加速度センサ)を使用した開発環境でのプログラミング教育の実践を紹介する。
第3分科会 情報モラル 会場:国際交流ホール(時計台2階)
1 いわゆる「情報モラル教育」の目的は何か。
埼玉県立坂戸西高等学校 井上 芳郎 06-3-1.pdf 発表スライド 06-3-1s.pdf
(要旨) カタカナ言葉には常に注意が必要である。モラルとは「道徳・倫理」などと同義であるとされる。ややもすると一定の価値観の押しつけや、単なる「べからず集」の列挙になりかねない「情報モラル教育」を今一度見直してみたい。一見「ルール違反」と見なされる行為であっても、実はモラル的には正しい場合もあるという実例を挙げ、「モラル」という言葉の持つ重みを生徒に理解させる試みについて紹介する。
2 話し合う情報モラルの授業実践
聖母被昇天学院中学校高等学校 岡本 弘之 06-3-2.pdf 発表スライド 06-3-2s.pdf
(要旨) ディジタルネィティブの高校生は、すでにスマホやSNSなどを使いこなしている。その経験や工夫を話し合いで共有させる中での「学び」を重視した授業実践を紹介したい。
3 個人データの活用はどこまで扱えるか
中央大学杉並高等学校 生田 研一郎 06-3-3.pdf 発表スライド 06-3-3s.pdf
(要旨) 新学習指導要領では知的財産の保護などの情報モラルの育成を図ることが求められ、「社会と情報」の「情報社会における法と個人の責任」では個人情報の保護だけでなく個人情報の活用も扱うこととされている。保護と活用の両方を学ぶことは個人情報を多角的に理解する第一歩となる。本発表では、授業で扱った個人情報の活用事例の紹介と授業の展開を模索する。
4 図書館資料の著作権表示調査からの一考察 -知財教育を基盤として-
三重県立津商業高等学校 世良 清 06-3-4.pdf
(要旨) 著作権教育は多く行われるようになったが、これまでの著作権教育では、法解釈を学習するだけ、あるいは違法性を指摘して複製や模倣を禁止する教育が多くみられた。WEBから他者が作成した図表や写真をはじめ、文章を安易に複写する場面が多く見られ、またソフトウエアの不法コピーに対しては、違法性を指摘するなど、教師による適切な指導は確かに必要である。しかし、現場の教師自身が曖昧な知識しかもたないことが問題である。学校内での特例があるため、生徒にとってはそれがそのまま社会で通用すると誤解が生じている。学校内であればまったく自由であるという考えをもつ教師が多く存在する一方、トラブルを避けて過剰に忌避する言動も散見される。著作権法の改定が十分に広まらないまま、誤った解釈が独り歩きすることがある。本報告では、著作権の指導を進めるうえで、書籍や雑誌などの著作物を例に、図書館所蔵資料の著作権表示のあり方を考えることから、その在り方を検討する。
5 グループディスカッションを取り入れた情報モラルの授業4回
神奈川県立港北高等学校 三宅 勇輝 06-3-5.pdf
(要旨) グループディスカッションを取り入れた情報モラルの授業を4回にまとめて行った。授業内容は個人情報の保護から情報の信ぴょう性まで課題の内容が深くなるように配列をし、各回に生徒の考えをまとめさせ、記述させた。授業を重ねるごとにグループディスカッションへの取り組みなど生徒の学習活動は深まった。しかし、生徒に提示する課題において問題があり、来年度へ向けて授業内容の検討を行った。
6 圧倒的に普及するLINEと高校生の個人情報
神奈川県立麻生総合高校 大石 智広 06-3-6.pdf
(要旨) 現在、高校生に圧倒的に普及しているSNSがLINEである。 一方で、LINEのアドレス帳を収集する仕組みについては、個人情報保護やセキュリティの観点から、一部で批判されている。 しかし高校生においては、個人情報に関する懸念をほとんど持たずに使っていると推測される。 そこで、以下の2つを目的にした授業を行った。 ・個人情報の基礎的な知識の習得 ・個人情報を提供する時に、躊躇すること この授業実践について発表させていただく。
第4分科会 情報活用の実践力 会場:国際交流ホール(時計台2階)
1 コンピュータを使わない「情報活用の実践力」理解の授業
大阪府立東百舌鳥高等学校 稲川 孝司 06-4-1.pdf 発表スライド 06-4-1s.pdf
(要旨) 情報の授業というと生徒はコンピュータを思い浮かべるが、コンピュータを使わずに断片的な情報が書かれたカードを使って協働学習形式による授業を教室で行うことで、文部科学省の提案する情報活用能力の中の「情報活用の実践力」である「課題や目的に応じて情報手段を適切に活用することを含めて,必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造し,受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力の向上」が情報の目標であることを理解させることができた。
2 情報教育における「情報活用の実践力」育成のための教材を活用した実践
関西大学 園田 未来 06-4-2.pdf
(要旨) 文部科学省が提唱する3つの情報活用能力の中の一つである「情報活用の実践力」は、「課題や目的に応じて情報手段を適切に活用することを含めて,必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造し,受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力」の育成をめざしている。この目標を理解させるために、コンピュータを使わず、断片的なカードを使ってグループで情報をまとめあげる教材を作成し、協働学習形式の授業を実践した。本発表では、教材の内容の説明と、実践を行った結果について報告をする。
3 教科「情報」における言語活動を取り入れた授業実践報告
茨城県立東海高等学校 阿南 統久 06-4-3.pdf 発表スライド 06-4-3s.pdf
(要旨) 平成24年度国立教育政策研究所教育課程研究センターの「学習指導実践研究協力校事業」の指定を受け,教科「情報」の授業の中で,どのように言語活動を取り入れていくべきか研究を行った。月に1回のペースで言語活動を意図して取り入れた授業を行い,「互いの考えを伝え合い,自らの考えや集団の考えを発展させる」活動を通して生徒に何を学ばせるか,試行錯誤しながら研究を通して見えてきたものを皆さんと考えたい。
4 情報を活用し情報社会に参画するためにデータベースを科学的に理解する学習
近江兄弟社高等学校 長谷川 友彦 06-4-4.pdf 発表スライド 06-4-4s.pdf
(要旨) 第5回全国高等学校情報教育研究会にて「社会と情報」でもデータベースの学習に取り組む意義について発表した。その後、本校の「情報C」において、データベースの学習に関する実践をさらに発展させた点について発表する。情報社会の中ではたらく情報システムを、データベースのはたらきを中心にしながら、情報が実際にどのように活用され、私たちのくらしが支えられているかについて考えさせた実践である。
5 メディアの情報を批判的に読み解く必要性を生徒に実感させる
京都橘高等学校 長谷川 卓也 06-4-5.pdf
(要旨) 生徒に、メディアの情報には意図があることを理解させ、またその情報を批判的に読み解く必要性を実感させるにはどうすればよいか。新聞の読み比べによってこの問題の解決を試みた。記事のタイトルを見た場合、本文を読んだ場合、それぞれのケースで読者はどのように情報を解釈するのかを体験的に学ばせた。その授業実践を振り返り、課題と今後の可能性について言及する。
6 普通科高校での専門教科「情報」授業実践part2~センター情報関係基礎を武器に~
愛知県立安城南高等学校 田中 健 06-4-6.pdf 発表スライド 06-4-6s.pdf
(要旨) 本校愛知県立安城南高等学校では、普通科でありながら専門教科「情報」を3年間で12単位履修する、情報活用コースというコースを展開している。大学進学を主な進路先として見据える生徒に対し、どのようにして専門教科「情報」と向き合わせれば良いか日々腐心を重ねている。 今回は、数学Bを履修しないカリキュラムで学ぶ本校生徒が、如何に「情報関係基礎」を武器としてセンター試験を戦うか、その授業実践と成果を報告する。
第5分科会 教育課程・評価 会場:国際交流ホール(時計台2階)
1 平成25年度導入テストの結果報告
横浜共立学園高等学校 矢部 一弘 06-5-1.pdf 発表スライド 06-5-1s.pdf
(要旨) 平成17年度より行っている情報科導入テストについて,今年度の実施結果について報告する。基礎的な問題,直感的にわかる問題,情報と社会にかかわる問題の「正答率が高い」ことが,ここ数年の傾向である。また,なんとなくは理解している内容でも,細かい部分について理解不足であったり,中学までに学習する内容の理解が浅かったりする。高校で改めて系統立てて指導する必要性を強く感じている。
2 新教育課程に向けた年間指導計画の作成と分析
埼玉県立草加高等学校 鶴見 美子 06-5-2.pdf
(要旨) 埼玉県高等学校情報教育研究会では、これまで「コミュニケーション能力の向上を目的とした授業」や「生徒の思考力・問題解決能力の育成を図る実践授業」などを研究テーマとし、目的を絞った内容で授業実践を行ってきた。今年度は、より効果的な指導ができるよう年間を通しての指導内容の検討と、新教育課程となって出てきた新たな課題を踏まえた年間指導計画を作成する、というテーマで研究を行った。
3 パフォーマンス評価による「指導と評価の一体化」の取り組み
埼玉県立朝霞高等学校 春日井 優 06-5-3.pdf 発表スライド 06-5-3s.pdf
(要旨) 今年度から高等学校においても実施された新学習指導要領では、基礎的・基本的な知識・技能の習得だけではなく、その知識・技能を活用できる思考力・判断力・表現力を育むことも求められている。これらの能力を含めたさまざまな能力を、パフォーマンス評価により把握し指導に活かす授業実践を行った。その授業実践を紹介するとともに、授業実践についての考察も行う。
4 学習状況の評価から評定への総括の考え方について
京都府立桃山高等学校 古川 眞一 06-5-4.pdf 発表スライド 06-5-4s.pdf
(要旨) 教科情報が始まり授業を担当するとなったときに、評定をつける場合の際の、座学と実習の評価の割合や観点別評価について悩みました。そして、観点別の評価をそれぞれ平均し、観点間を掛け算したものを評定化の元資料とすることにしました。理論的な裏付けはありませんが、生徒の学習評価を立体としてとらえていると考えています。
5 「基礎情報学」の教育的見地からの魅力
埼玉県立大宮武蔵野高等学校 中島 聡 06-5-5.pdf 発表スライド 06-5-5s.pdf
(要旨) 「基礎情報学」の高い論理性や無矛盾の理論は、教科情報の親学問として十分な条 件を満たしている。しかしそれだけではない。「基礎情報学」の考え方は、様々な 社会的な問題を解決するための新しい観点を多数与えてくれる。これは、教育的見 地からしても大きな魅力である。この魅力的な考え方を「人間機械論」と「コミュ ニケーション能力」を論ずることを通して紹介する。
6 21世紀型スキル育成に向けた高校情報科での授業実践と授業評価
早稲田大学高等学院 荒巻 恵子 06-5-6.pdf
(要旨) グローバル社会におけるICTリテラシー、協調性スキルは「21世紀型スキル」と呼ばれ、 これを育成するための授業実践モデルや評価法が求められている。本研究では第1に米国での21世紀型スキルに関する諸研究の調査を行い、第2に協調学習とICTリテラシー育成のために、高校情報科の著作権授業においてCSCLシステム「Course N@vi」を活用した授業実践を行い、さらに「Evidence-Centered Assessment Design」の評価法によって授業評価を行った。