大会開催に際して

全国高等学校情報教育研究会会長あいさつ
武山洋二郎(元東京都立松原高等学校長・元東京都高等学校情報教育研究会長)

 平成20年8月22日,全国高等学校情報教育研究会の設立総会を開催し,全国組織が結成されました。同日に実施された第1回の全国大会は,武蔵工業大学世田谷キャンパスにおいて,300名を超える参加者により実施することができました。
 平成21年度は第2回の全国大会を,日本の科学が集合する茨城県つくば市で,筑波学院大学のご協力を得て実施されることをうれしく思います。この開催は,茨城県高等学校教育研究会情報部の先生方の並々ならぬご協力の賜物と感謝しております。
 過日,高等学校の新学習指導要領が発表され,情報教育の新しい形が発表されました。情報の授業は,単なるソフトの使い方指導に終わることなく,教科情報で伝えたいことを教員がしっかりと理解し,分かりやすい授業を組み立てる必要があります。そのためには,他の教員の授業の良いところを知り,自らの授業を常に改善していくことが重要です。しかし,情報の教員は各学校に1名の場合が多く,国語や数学のように同じ教科の中で相談したり,先輩の先生から指導を受けたりすることが困難な教科といえます。
 情報の教員は,インターネットを活用し,瞬時に数千キロメートルも離れた人と連絡することが可能ですが,普段インターネットを活用しているからこそ,顔を合わせて話し合う機会が重要と考えています。この全国大会を自らの力量を高めるため,同じ悩みを持つものが直接顔を合わせて話し合う好機にしてもらいたいと思っています。

関東都県高等学校情報教育研究会会長(大会実行委員長)あいさつ
山口正雄(茨城県立鉾田第一高等学校長・茨城県高等学校教育研究会情報部長)

 全国大会,関東都県大会を茨城県で同時に開催できることを大変嬉しく思います。開催準備に当たっては,「情報」が得意とするネットワークを最大限に活用し,全国の先生方のご協力を頂いて準備を進めて参りました。先生方のご協力に深く感謝申し上げます。
 教育課程に位置付けられて日の浅い普通教科「情報」の教育実践は暫く手探りの状態であったと思います。新設から6年が経過し,「情報活用の実践力」を高め,「情報の科学的な理解」を深め,「情報社会に参画する態度」を育てるという情報教育の3観点の理解を図り,実践を積み上げてこられた先生方のご努力に敬意を表します。
 今大会のテーマ「ICTコンパス」は,実践発表や研究協議,情報交換等の活動が,指導の在り方や実践的指導のコンパスとなり,さらに,日常生活に欠かせなくなった情報機器・情報技術が,科学的な見方考え方を養い,社会の進展に寄与する能力・態度を育てるコンパスとなり,第1回大会の Next Stage となることを願って定めたものです。
 今大会のポスターセッションには昨年の倍の応募がありました。その中には大学院留学生のセッションがあり,高校生による研究発表もあります。それぞれの立場から積極的に発表されることは,教員の実践研究を一層深めるものと期待しています。幅広い参加者の下で,情報教育研究大会が益々高度になる情報社会に積極的に参画する意識高揚の場となることを祈念致します。
 大会開催に際し,文部科学省,教育委員会,情報教育を担当する先生方には大変お世話になりました。また,快く会場を提供していただいた筑波学院大学,リーフレットなどの作成に協力をいただいた筑波学院大学生並びに先生方には厚く御礼申し上げます。
 今後も実践的研究を積み,情報教育の先進的な取り組みや研究の成果を発信して参ります。ご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。

開催校あいさつ
三石善吉(筑波学院大学長)

 全国高等学校情報教育研究会および関東都県高等学校情報教育研究会が,筑波学院大学で開催されますことを心から歓迎いたします。両研究会は,ともに高度情報化社会における重要な分野の1つである情報教育の教育研究会であり,関東のみならず全国を覆う高等学校の先生方が,本学に結集されて,その研究の成果を発表される計画と伺っています。なお,本学の専門分野の1つであるグラフィックデザインの山本ゼミの学生がロゴマークからポスター,リーフレット,会場内サインなどの制作にかかわり,普段学んでいることを実践で活かすという貴重な経験をさせていただきました。深く感謝いたします。
 皆様のご活躍と両研究会のこれからのご発展を心からお祈りいたします。